涙が溢れて止まらなくなったのは、やっと現実を受け止めた次の日。


全身カラカラになっちゃうほど涙がとめどなく溢れる。


もうヤダ……。


「ごめんね、羽珠…。良い言葉かけられなくて…」

「んっ、ううんっ…あたしこそ…っ、ふぇっ、ごめん…」

「良いから。今は泣きたいだけ、スッキリするまで泣きなよ」


朝から午前中の授業を皐月とサボり。


空き教室の隅っこで縮こまるあたしの背中を優しく撫でてくれる。


皐月の優しさが胸に滲みて、もっと切ない……。



忘れたいのに思い出す。


碧依くんとの思い出が、昨日のように鮮明に。


ほんとにあたし達って………


別れちゃったんだね。


「皐月ぃぃ……ツライよぉー…」

「うん、ツライね。羽珠、神木のこと大好きだったもんね」

「今でも大好きなのに……」

「それ伝えてもダメだったの?」

「…うんっ。嫌いって言われちゃった」


一方通行で好きだった自分がおかしくて笑う。


ほんとは、最初からあたしのこと好きじゃなかったのかな?


あたしのこじつけ?


でも、今は全部終わったから忘れなきゃ………。