夜7時に図書室を閉めるから、図書委員が責任を持って鍵を閉めなきゃない。
パソコンの貸し借りの整理、鍵を職員室に返して……動いてるともうとっくに7時半を回ってた。
下駄箱に行くと、外は真っ暗。
「意外と図書委員って大変だよね〜。もっと楽かと思ってたのに!」
「時間遅いし。疲れた」
「あたしも!ひょえ〜……もう真っ暗じゃんね!バイバイ、碧依くん!」
「あ……待って」
手を振って先を歩く小宮の細い手首を俺は咄嗟に掴んだ。
なんでか分からない。
ただ、こんな真っ暗な中を小宮一人で歩かせたくなかった。
「……碧依くん…?」
「…送ってく」
「や、いいよ!だって、あたしと碧依くんは駅真逆でしょー?それに、あたしなんか襲われないって〜」
「いいから送ってく。少しは危機感持ちなよ」
「あ、う、うんっ。じゃあ……お言葉に甘えてっ」
ふわっと花が咲くように、可愛らしく微笑んだ。
………ドキッ
ほら、まただ。
小宮といると、うるさくなる。

