こんなに可愛いこと言ってくれるんだ。
余所見なんて、するはずない。
疑いかけた俺はバカ。
「あ、碧依くんっ…!ほ、歩道のど真ん中だからぁぁ!」
「人通り少ないから良いじゃん」
「そうゆう問題じゃなくて!!」
「顔真っ赤……熱でもあんの?」
わざと、羽珠の額と俺の額をくっつける。
耳まで赤くなってるし。
こうやって、俺だけに照れた顔とか可愛い仕草見せてくれれば十分。
でも、相手が月都ってなんか妬く……。
ちょっとした仕返しで、デコピン。
「痛っ!え!?今の甘い雰囲気から、男の力でデコピンですかっ!?」
「油断してた羽珠に仕返し的な?」
「そんな可愛く首傾げられたら怒れないでしょ〜!!」
「可愛くない。可愛いのは羽珠の方」
「やっぱ今のデコピン許すわ」
単純…!!
そんなとこも羽珠らしいから、面白くて全然良いけど。
「帰ろっか」
「うん!」
繋ぎ直した手は、少し力が強かった。

