いつも通りの学校なはずなのに、今日は早く帰れない。
委員会の仕事がある……めんどくさい。
イスに座って本の貸し借りをパソコンでやるだけだけど、めんどくさい。
「碧依くん!図書室行こっ!碧依くんと一緒なら、どんな仕事も楽しめる!」
「俺は楽しめない」
「めんどくさい?」
「当たり前じゃん……」
別に好きで図書委員になったわけじゃないし。
図書室に行って、俺はテキトーに小説を取ってイスに座った。
小宮は隣でイスに座って、ぐるぐる回って遊んでる。
……落ち着きないね。
「何読んでるのー?」
「ストーカー撃退法」
「あ、あたし!?あたしってもう碧依くんのストーカーの域!?」
「もう片足突っ込んでるよ」
「マジか……気を付けます…」
ごめんね、嘘。
哲学的な小説なのに、小宮の反応が面白くてつい。
それから小宮は色々話し掛けてきたけど俺は頷いて聞く。
それだけなのに、嬉しそうに笑ってるんだ。

