放課後になり、あたしはカバンを持ち上げて碧依くんの席に行く。
相変わらず気だるそうな表情。
堪らなく好きぃー!!
「碧依くん!帰ろー♪」
「ん。帰る。……手、繋がないの?」
「繋ぐ!」
差し出された男の子らしい手。
ぎゅっと握れば、優しく握り返して照れくさそうに前を歩く。
あたしは絶対に別れたりしたくない。
風に吹かれて桜が散り始めてる道を二人で並んで歩く。
もう春も終わっちゃうな〜……。
「そいえば、朝陽が星野に避けられるって悩んでた。なんか知らない?」
「それは……」
ガッツリ理由知ってますね。
でも、果たしてこれを言って良いものなのか……。
「…知ってるの?」
「あたしも見てて思ってた〜!なんでだろうね?知らないや」
「そっか…」
腑に落ちない表情。
ごめんね……岬と碧依くん…。
あとは皐月本人から聞いてほしい。
それからは他愛のない話で。
「模試の結果1位だった」
「クラス?」
「クラスもそうだけど、学年で」
「すごっ!!?」
やっぱり、碧依くんは天才です…。