家まで頭からずぶ濡れで帰った俺は、そのまま風呂へ直行。
どうせ家に帰っても親もいないし、誰も心配する人なんていないから大丈夫。
昨日はおかげで、くしゃみが止まらなかった。
……なんで俺は苦手で嫌いな小宮のために傘貸したの?
小宮のことは苦手だ。
テンション高くて、うるさくて、俺にいつも笑顔で話し掛けてくる。
その度に、ぎゅっと胸が締め付けられるような感覚になって、心臓がうるさくなるんだ。
もしかしたら、俺なんかの病気?
家に着いてから、誰もいないリビングにカバンを放り投げて、父親の書斎の隣にある本棚に行った。
俺の両親は所謂、医者。
だから本棚には所狭しと分厚い医学書が並ぶ。
ぎゅっと胸が締め付けられて、心臓がドキッとするのって内科?外科?
2時間も3時間も色々な医学書を読んだけど、原因は分からなかった。
気付けば部屋全体が真っ暗。
小宮のせいで俺、変なんだけど。

