それは一瞬の出来事だった。
ーーバンッ!!!
テーブルに両手を付いて響く音。
「あの……あたしも言いたいこと言わせてもらいます」
「羽珠。めんどいから良いって…」
「めんどくさいで終わらせたくないの!」
力強い眼差しと表情。
確かに羽珠は、こんなので黙ってるような子じゃないけど……
「まず!碧依くんのこと見て下さい!向き合って下さい!」
「言い訳出来るのか、君は」
「言い訳?事実です!しっかり碧依くんと向き合って、その結果あたしと釣り合わないのなら……しょうがない。諦めます。でも!!」
両親だけじゃない。
こんな羽珠に俺まで、びっくりして圧倒されてる。
「向き合う前から、あたし達を決め付けないで下さい!」
「高校生のくせに理屈を並べるのが上手だ。向き合う?どう向き合えば満足?」
「そんなのご自分で考えて下さい!今日は帰ります!失礼しました!」
俺の腕を引っ張っていたその時。
ピタッと立ち止まり羽珠が振り向いた。
「それからあたし……碧依くんのこと大好きですから」
今日の羽珠はいつもと違う。
本気だ。

