左から2列目の上から3番目があたしの下駄箱……のはずなのに。
なぜか、見たことのないビニール傘が下駄箱にかけられてる。
誰か間違えちゃったのかな!?
キョロキョロ見回しても、人がいる気配が全くなくて………
あ、お母さんかな!!
いつも使ってるピンクの傘じゃないけど、傘を忘れたからお母さんが届けてくれたのかもねっ!
あたしはビニール傘を開いて足取り軽く外へ出た。
雨に濡れず家に帰れたあたしは走ってリビングに行く。
「お母さーん!傘ありがとう♪濡れずに済んだよ〜」
「おかえり、羽珠!なんのことー?」
「え?ほら〜!下駄箱にビニール傘かけてくれてたじゃん!」
「傘なんてかけてないわよ?誰かの間違いかしらねっ」
「あー……そっか」
じゃあ誰?
もしかしたら、やっぱり他の人が傘間違えてあたしの下駄箱に!?
申し訳ないことしたかも……。
明日ちゃんと返しておこう。
誰のか分からないけど、あたしの下駄箱にかけておけば気付くよね?
あたしは、ウサギのキャラクターが付いたメモ帳に『間違えて使いました。すいません』と書いた。
これを明日、渇いた傘に付けておけば良いかな……。

