出て来てびっくり。


驚愕とは、まさにこの事を言うんじゃないかってほど。


家の前に停まってたのは、テレビでしか見たことない黒塗りの高級車。


「ヤバイ……。何、これ…」

「おはよ、羽珠。車乗って?」

「へっ!?えっと……どうゆう状況!?」


焦るあたしの元に、運転手さんらしき初老の男性が来て車のドアを開けてくれた。


「すいません!ありがとうございます…」

「いえいえ。将来的に、碧依様の…っと何でもありません。お気に留めずに」


首を傾げるあたしに、お辞儀をして運転席へと戻って行く。



でも、まぁ………碧依くんと一緒だから大丈夫だよね!


「だけど、行き先知りたいよ〜!」

「行き先?うーん……色々行くから、なんとも言えない」

「じゃあ!一つ目は!?」

「……あ、ここ」


スマホ片手に指差す先には、高級ブランドショップ。


そうだよ。


碧依くんは医者の息子さんだから、価値観がちょいとズレてる。


それにしても………


「ここで何するの?」

「羽珠を見立ててもらう」

「見立てる……」


イマイチ、ピンとこないわ……。