入学してまだ1週間も経たないある日。


元々、勉強が大嫌いなあたしは授業なんて耳にちっとも入らない。


まだあと30分もあんの〜?


つまんない!!


暇つぶしで癖のペン回しをしてると、思いっきりペンが飛んでった。


げっ、ヤバイ!!



どこ行った〜……あたしのペン!


床をキョロキョロしてやっと見付けると隣の隣の席の人の机の真下。


最悪ー!!!


しかも、けっこう厳つい怖い系の男の子だ。


どうしよっかな………。


授業終わって席立つの待つか……。



ずっと横を向いてると、隣の席の茶髪の男の子が厳つい男子の肩を叩いた。


「ごめん。ペン落としたから、拾ってもらっていい?」

「んぁ?このピンクのヤツ?…はい」

「そう。……ありがと」


取ってくれた…?


あたしのペンをキレイな指先で持ち、机に静かに置いてくれる。


「あ、ありがとう…!助かりました…」

「別に」

「……名前…なんて言うの?あたしは小宮羽珠!」

「神木碧依」



それがこの、ゆるゆるした猫系男子との出会い。