ぎゅっと首に回った腕の暖かさと、背中に感じる暖かさ。


羽珠が後ろから抱きついてきた。


「ん〜……碧依、くん…」

「やっと起きた」

「だってー……疲れたもん…」


ブツブツ文句を言いつつ、テレビゲームしてる俺の腰に抱きつく。


とにかく、くっついてたいらしい。


可愛いヤツ………。



「今何時…?」

「7時半」

「えっ!!嘘!どうしよう!寝てられないよぉ!怒られる!」

「家に連絡入れてなかったの?」

「後ででいっかなぁ〜♪って……」


くっついたまま、羽珠は渋々スマホを耳に当てた。


電話するんだ……。


もし、羽珠が怒られるようなことがあったら俺が電話代わろう。


俺の責任でもあるから。



静かに話す羽珠が、すぐに電話切った。


やっぱ怒られた…?


「ママめっちゃ喜んでた……」

「それは良かった」

「うん…。は、早く孫の顔見たいって!」

「…なんか勘違いされてるね」

「あー!もう、恥ずかしいよ!」


俺の背中に顔をくっつけてグリグリ。


今日も羽珠が隣にいる幸せを噛み締めた。