猫系男子は時々ライオン




蒸し暑い陽射しを浴びてると、羽珠がプールから足を出した。


立ち上がり俺に手を伸ばす。


「そろそろ帰ろっか!先生に見付かったら怒られちゃう!」

「怒られるの?」

「うん!水泳部以外立ち入り禁止!」

「それ先に言ってよ……」


俺は差し出された手を掴んで立ち上がった。


離れそうになった手を握って、そのままプールを出る。


足べちゃべちゃ………。


「碧依くーん!!足べちゃべちゃだぁ〜!!」

「タオルとか持って来てないの?」

「持って来てないよ〜!後先考えてなかった♪」

「むしろ後先考えて行動してたら羽珠じゃないよね」

「ひどっ!!」



朝陽にでも電話して、タオル持って来させよう。


部活やってるからタオルの1、2枚ぐらい余分にあるはず。


「朝陽に電話する」

「岬!そうだ!サッカー部じゃん!」


連絡してたったの数分で、タオル2枚を持った朝陽が来た。


ラッキー。