放課後には羽珠と手を繋いで駅まで送ってあげる。


今までの彼女だと、この送るって行為がかなりめんどくさかった。


でも、羽珠と少しでも長くいたいって思う俺にとって今は苦じゃない。


一つの楽しみ。



「あのね!あたしにしては、数学出来るようになったんだよ!」

「良かったね。頑張ってるじゃん」

「ううん、碧依くんが教えてくれるおかげ!」


素直な笑顔に俺はやられる。


普通に可愛過ぎでしょ………。


あんまり煽んないでほしいのに。


俺の気も知らずに無邪気に笑うんだ。


「少し勉強頑張って、碧依くんに釣り合う女にならないとっ!!」

「羽珠は頑張り過ぎると空回りするから無理しちゃダメ」

「空回りしないもん。もっと可愛くて完璧にならないと碧依くん取られちゃう!」

「俺は誰にも取られません」


羽珠以外の女の子のところになんて行かないって。


今のままで十分可愛い。


むしろこれ以上可愛くなって他の男のところ行かないでよ?


好き過ぎて、また半同棲状態したくなってきた……。