俺の隣で声を抑えて笑う朝陽。
……まぁ、この朝陽のおかげで俺ら4人は同じクラスになれたんだけど。
朝陽の父さんの幼なじみが、この学校の理事長でクラス一緒になるように仕組んでくれたんだって。
これは感謝しなきゃ。
「良かったなぁ〜小宮ちゃんと同じクラスで♪」
「うるさい……朝陽」
「俺は皐月と同じクラスで幸せー」
望むところは、俺も朝陽ぐらい素直になりたい。
それなら羽珠にちゃんと“好き”ってこと伝えられるから。
でもきっと………今の俺と羽珠だから成り立ってる気がもする。
「ねぇ、朝陽。すごく、バカみたいに素直な俺ってどう?」
「気持ち悪りぃ。吐きそうになる」
「俺だって心はあるから傷付く」
「素直な碧依だぜ?頭痛と吐き気が止まらねぇわ……」
あの……俺って朝陽と友達だよね?
随分、正直に言ってくれたもんだ。
数学の授業が終わったら決まって羽珠が俺の席に来る。
「分かんないよー!教えて?」
「いいよ。どの問題?」
「あのね、2番の問題。これって、どこに代入するの?」
頼ってくれるのが可愛い。
俺も羽珠が理解しやすいように教える努力、家でしてるんだよ。
頻繁に数学の勉強するようになった。