だからと言ってシュート決められないわけじゃないから、そのまま利き足の左でシュートを入れる。
あ………入った。
「碧依ナイスー!ブランクなんて物ともせずって感じ?」
「物ともするよ。入れたい方向がちょっとズレた」
「すげぇな〜。……もう、サッカーしねぇの?」
「しない。サッカー好きだからしない」
「………そっか。勝ち残りだから、もう1試合だって!頑張るか!」
俺の頭をぐりぐり撫でる。
俺より少し背が高いからって朝陽はこれだもん。
それに、サッカーは好き。
だけどもうやらないよ。
体育が終わって教室に戻る途中に、あの小宮と鉢合わせる。
……しかも、よりに寄って小宮の友達と朝陽が付き合ってるから、小宮と二人きりにされる俺。
ツライ。
「今日男子サッカーだったんでしょ?どうだった!?」
「……楽しかったけど」
「じゃあ!!ズバリ質問♪あたしのこと、どう思う?」
「うざい。しつこい。嫌い」
小宮の顔がズーンと沈むのがあからさま。
じゃあ、聞かなきゃいいのに。
だから女の子って苦手だ。