体育の授業でやっと小宮から解放された気分。


まだ5月なのに太陽がジリジリと照らしてくる。


暑い………。


こんな時はサッカーなんてするよりも、日陰で黙ってるのが一番良い。



「おい、碧依!お前なんで日陰にいるんだよ〜。ずりぃな!」

「…朝陽。だって暑いじゃん。ねぇ、腕暑苦しい」

「ほら〜サッカーしに行くぞ!」


俺の首に腕を回して日陰から、ズルズルと太陽の真下に連れて行かれる。


この暑くて眩しいの好きじゃない……。


「お前さ、サッカー強いんだからやらねぇと損だって!」

「強くない」

「強いだろ!中学ん時なんて、1年からエースじゃん!」

「その話ダーメ」


ぺしっと朝陽の口を手で隠した。


困った顔した朝陽は苦笑気味に「ごめん」と謝る。



今は帰宅部な俺だけど中学の時は一応、サッカー部で“エース”って肩書きを背負ってた。


中3の夏までやってたけど、訳あってやめた。


「碧依〜!シュート決めちゃえ!」

「俺、ポジション的に点数稼ぐ方じゃなかったんだけど……」


どちらかと言うと、パスコースを繋いでシュートを入れさせる側。