俺の髪を優しく撫でて困った顔をする。
あ……俺のせいで困らせた?
ごめん……でも、それぐらい好き。
「…もう1日だけ泊まれば?」
「いいの?」
「俺は……泊まってほしい」
「ちょっとママに電話するね!」
スマホを持って羽珠は俺の部屋から出て行った。
そうだ。
羽珠には心配してる家族がいる。
男の家に泊まりに行って心配しない親なんて、いないはず。
帰らせた方が良かったかな……。
なんて悩んでる数分後、羽珠がスキップして部屋に戻って来た。
「ママからオッケーもらったの!」
「じゃあ、もう1日俺の側にいてくれるの?」
「うん!帰国子女の彼氏様によろしく伝えといてって!」
「か、彼氏様……」
「やったー!!今日も碧依くんと一緒にいられる!」
バフっとベッドにいる俺の隣にダイブ。
枕に顔を埋める姿が可愛くて、頭を撫でると照れくさそうに笑った。
わがままも言ってみるもんだ。

