右腕の違和感で目が覚めた。
腕枕してたはずなのに重みがない……。
目を開けると俺の視線の先に、羽珠がいなくてすぐ後ろを向く。
すると、俺のベッドに寄り掛かってゲームしてた羽珠。
寝てる俺に気を使って音量小さくしてゲームしてる。
「あ!碧依くん!おはよ!」
「…おはよ。起きたの?」
「うん!!1時間くらい前かな」
「そっか……。起こして良かったのに」
「ヤダ!碧依くんの天使の寝顔を妨害したくなかった!」
天使の寝顔ですか……。
喜んでいいのか、どうしていいのか。
ゲームの電源を切った羽珠が立ち上がり、俺が寝るベッドの縁に座った。
「そろそろ帰ろうかな、あたし」
「もう帰んの?」
「うん。だってもう5時になるよ」
確かに、夕陽で部屋がオレンジ色に染まってる。
離れたくない……。
「まだいていいよ?」
「ううん!あんまり長居しても迷惑だから帰るねっ」
素直じゃない俺。
まだ側に置いときたい。

