猫系男子は時々ライオン




ムダにテンション高くて、おバカな小宮に苦手意識が増してく。


俺の周りにいる女の子はみんなテンション高いけど、ここまですごいのは初めてだ。



「え〜……ヤダぁ…次の授業は体育じゃん!碧依くん見れない……」

「見なくていいから」

「なんで男子外なのよ!男子も体育館にしなさいよ!碧依くんが日焼けしたら、どうするのさっ」

「小宮さん!授業中は静かにしようね〜。私語多いよ!」

「ごめんなさーい、先生」


こんなことで、小宮が怒られるのはいつものこと。


懲りないな。


小宮はものすごく不機嫌そうな顔で、ピンクのシャーペンをくるくる回す。



元々はあの時俺がペンを拾ったからだ。


困った顔してキョロキョロしてる女の子を俺は、ほっとけなかった。


ペンを渡すと照れくさそうに笑って……


その時は、可愛い子だなって思ったのは事実。


だけど………


「碧依くん、碧依くん!これなーんだっ♪」


ノートの端に書いてある汚いウサギの落書き。


「……ウサギ」

「ピンポーン♪さすが碧依くーん!!」


今日も小宮は元気だ。