俺は小宮から視線を逸らして話した。
「俺のどこがそんなに好きなの?」
「たくさんあるよ!まずー……無愛想だけど優しいところ、購買の苺ワッフルが好きな可愛いところ、気だるそうなところ、猫っぽいところ。あとは〜……」
「分かった。もう良い。十分」
「伝わったでしょ!あたしの気持ち♪」
「身震いがするほど伝わった」
「えへへ〜♪良かった〜」
気だるそうなところ…とか、なんでそんなとこ好きなのさ。
ただ、俺がちょっとびっくりしたところがある。
小宮は俺の見た目のことに触れてない。
だいたい付き合う女の子にこの質問をすれば「カッコイイから」とか「顔がイケメンだから」とか………
性格のことは何も言ってくれないし。
ほんの少しだけ小宮のこと見直したよ。
苦手なことに変わりはないけどね。
「幸せだから、今日の授業は寝るね」
「寝られたら困るんだけど」
「まっ、まさかの碧依くんから寝かせねぇぞ発言!?て、照れるよっ……」
「いや……1時間目の英語ペアワーク」
「そっちですか!!」
そっちもこっちもないよね。
ペアワークの時に、隣の席の人に寝られてる時ほど気まずいことはない。

