俺の好物よく知ってるよね。
それが嬉しくて羽珠にまたキス。
今日のキスはすごく苺の味がする。
「あ、碧依くん……んっ」
「おいしい……苺の味する…」
「ダメっ……。…あれ?」
俺が唇を離すと、羽珠が部屋の角に視線をやる。
「すごーい!トロフィーあるなんて気付かなかった!賞状とか、メダルとか……サッカーやってたの?」
「……前に少しだけ」
「だからか〜!女の子達が、碧依くんはサッカーうまいって騒いでたの!」
「そうなんだ……」
「サッカー部とか興味ないの?もったいないよ!」
俺も……俺だってサッカーしたい。
また、あのボールを蹴る感覚と試合独得の緊張感を感じたい。
けど………
「…あ、えっと…あたしもサッカーわりと好きだよ!テレビとかで見るし!」
「ん?…うん」
「面白いスポーツだよね〜。今はそれより、ワッフル食べちゃおー!」
もしかして悟った?
何も聞いてこない羽珠の優しさが、痛いほど染み渡る。
やっぱり、俺の彼女は羽珠意外にいない。
大切なのは羽珠だけだ。