【羽珠side】
「碧依くん!!好き〜!」
「うるさいよ。小宮」
今日もあたしの一日は、大好きな神木碧依くんへの告白から始まる。
高校1年の5月。
4月に入学して以来ずっと一目惚れで大好きな碧依くん。
無愛想で、クールで、口数少なくて、気まぐれな男の子。
そんな猫系男子とも言える彼にあたし、小宮羽珠は絶賛片思い中!!
目にかかるくらいの長めの茶髪に、くっきりした二重の目。
筋の通った鼻。
まさに正真正銘のイケメン!!
はぁ〜………碧依くん本当に心から好きです。
隣の席から、ジーっと見詰めるあたしを全く気にせずスマホをいじる姿にもきゅん!!
「碧依くんのスマホになりたい…」
「そろそろ気持ち悪い」
「最近の碧依くんは、あたしと会話してくれるようになったね!」
「あれだけしつこいと嫌でもする」
「碧依くんと会話するだけで、白米三杯はいける…!」
あたしが恋したキッカケは、ほんと小さなコトだった。