そんな日の帰り。 「凛!かえろう。」 「……ヤダ。」 「拒否はできません。」 「ちょっと…!!」 当たり前のように迎えに来た尚に、手首を掴まれ連行された私は、またもや自転車の後ろに乗せられる。 「尚、朝も帰りもお熱いなー?」 「俺らにも回せ回せ〜っ」 友達にこうからかわれる時には尚は決まってこう返す。 「ばーか、幼馴染だよ。 っつか、誰がお前らみたいな奴らにあげるかよ。」 落胆させられた後に、懲りずに胸がトクンと高鳴る。 お決まりのその言葉は、魔法の言葉であり、呪いの言葉でもあった。