「離して。」 キスされそうになる未遂なんて、いくらでもあったし、されたことだってあった。 その度に、いつもいつも助けてくれたのは尚だったのに、今日はきっともう帰ってしまってる。 「なんのつもり…、離して!」 「離さない、好きなんだ。」 「私は、好きじゃないの。」 目の前の横井君の顔は眉がつり上がっていて、怖い。 なんで私はこんな目にあってるんだろ。 変わったことせずに、尚と帰っとけばよかったなんて後悔はもう遅い。