幼馴染のバカな嘘。




「なんか、悪かったね。
付き合わせてしまって。」



…なんだったんだろ、あの必死さは。



電話のときのおかしな尚に首を傾げながら、議会の終わった私は横井君と歩いていた。



「富岡さん?」



「え?…あ、別に。」



それだけ言うと、私はローファに履き替えて、トントン、とつま先を地面でたたいた。



「送って行くよ。」


……いやいやいや。

さすが王子様だけはあるけども。



まだ日は高いし、正直あまり慣れてない人と一緒に帰るのは辛い。


なかなか道のりは長いし。



…尚となら一瞬なのにな、なんてばかなことを考えた。