「俺は、菜穂の気取らない服装も、ブラックコーヒーが好きなところも、嘘のない真っ直ぐな笑顔も、全部が好きだ」
強ばったように力がこもっていた彰良の体から、ホッとしたように力が抜け、それと同時に言葉がポロリとこぼれ落ちる。
「だから、自身持て」
自分の女の子らしくないところがずっとコンプレックスで、真希と知り合ってからはますますそれが強くなって、いつの間にか彰良が向けてくれる好意さえ、不安が勝って信じられなくなっていた。
彰良もきっと、真希のような可愛らしい女の子が好きなのだと、勝手に思い込んでいた。
「彰良……っ!」
名前を呼んでギュッと背中にしがみついたら、自分でもビックリするほど声が震えて、常にない弱気なその様子に、彰良が小さく笑いながら抱きしめる腕に力を込めた。
「菜穂のさ、たまに見せるそういう弱いとこ、すごく可愛い」
からかうように耳元で口にされた言葉に、顔がぽわっと熱くなる。



