「俺もずっと、笹島のこと好きだった。」 夏らしい、ミントの制汗剤の香りと、柔軟剤の香りが鼻腔をくすぐる。 新君はこんな香りなんだと、柄にもなく考えて、また鼓動がはやくなった。 「俺素直じゃなかったよな。 自分にムカついて出来心で落書きしたイラストに、コメントがついてたから驚いた。 隣で無愛想な顔しながらこんなことしてるなんて言えなかったしな。 …なにも知らなかった笹島のこと知れて嬉しかった。」 私は思わず目を見開いた。 そんな風に考えてたなんて。