完全に油断していた。 あいつは"奥手"で"遠くから見てはいるが、関わっては来ない"タイプだと思ったんだがな…。 5月の終わり。 俺は天野に告白された。 「良かったら付き合ってもらえませんか?」 驚きのあまり、俺は言葉を失った。 予想もしていなかった展開だ。 少し面食らいはしたが、こんな暗そうでおとなしそうで貧相なやつとは付き合いたくない、と思った。