「失礼します。」 ドアをノックし、一声かけてから俺は部長のいる部屋に入った。 「ん? あぁ、雪野くんか。 …まぁ、大方想像はついているだろうが、出張の件だ。」 「はい。」 この時期になると必ず、短期出張が入る。 男は男同士、女は女同士でペアを組む。 別に俺は誰とでもよかったのだが… 予想外の言葉がかけられた。