忘れた

「いいなあ、舞花と里美。今日は日陰で見学か」


日陰にたまる生徒の軍団を見て、麗が羨ましそうに言った。


「でも、梨沙すごいよね。クラス対抗リレーの選手なんだから」


あたしが言うと、麗も頷いた。


「梨沙は昔から運動神経抜群だからね。足が早いだけじゃなくって、何をやってもすごいんだ」


へえー、とあたし。


「梨沙って、陸上部だっけ?」


「うん、ハードルやってるんだ」


そこへ体育委員が縄を持ってやって来た。


練習の始まりだ。


並び方は、背の順で高い人が真ん中に来るように指示された。


女子では1番背の高いあたしは、必然的に真ん中のポジションになった。


麗と離れたのも嫌だったけど、それよりも何よりも嫌なことがある。


それは…


すぐ後ろに男子がいること。


背中合わせだからまだマシだが、近くに男子がいると思うと寒気がする。