小学生の時は、ミニバス大会に哲ママが行くのに誘われたけれど、あたしは行かなかった。もっとからかわれると思ったし、哲が嫌がると思ったから。
そうだった。
哲はあたしのことが嫌いなんだった。
最近、優しいからすっかり抜け落ちていた。
「羽月ちゃーん」
「ちゃん付けすんな馬鹿」
「ハーレムじゃん!」
いーだろ、と先輩が友人らしき人と話している。先輩って結構交友関係が広いのかもしれない。
休憩時間だったのが終わる。ふと、哲を見ると、視線が合った。
あ、見つかってしまった。
南雲さんはこちらを見ていない。少し手を振ってみると、手を挙げてくれた。



