空とマンホール


南雲さんからの視線が痛い。

「ありがと」

「うん」

「気、向いた?」

あ、いつもより冷たい声じゃない。
気付いたのはそれだけ。

あたしがお弁当持ってきて良かったのかな。
また、変な噂たったらどうしよう。

そうしたら、次は南雲さんも傷付けてしまうかもしれない。

「結」

「あ、うん」

「え?」

「うん?」

「いや、試合一時半からだから。ギャラリーから観戦出来る」

へ?

ギャラリーを指差した哲は少し嬉しそうな顔をしていた。それにキュンとする自分がいた。

「じゃ、弁当ありがと」

それを持って男子の集団へ帰っていく姿を見て、あたしは足早にそこを離れた。