あ、そっか。南雲さんに渡して貰えば良いんだ、と考えついて逸らしてしまった視線を上げる。 「あ、砂藤さん」 急に横から発された声に驚く。よく哲と一緒に居る男子。 名前は知らないけれど。 でも好都合。 「あの、これ汐野くんに……」 「哲!」 呼ばなくて良いから! お弁当箱を押し付ける前に、こちらを一斉に向いた男子の集団の中から哲の顔が見えてしまった。 無邪気な顔。 冷やかされながら呆れた顔をした哲はこっちに近付いて、哲の友達と入れ違いになる。 どうしてこんなことに……。