空とマンホール


その所為で遅刻して何周走らされたことか。

「結…」

ニヤニヤ笑いながら呟く声に睨む。
す、と顔を逸らす敬司。

廊下は静まった。多分殆どの生徒が下校したんだろう。

試験が終わったら夏休みになる。部活と遊びと、あとは。

「そういや、砂藤さんの方は大丈夫だった? 女子ってこえーじゃん」

言葉を聞いて、シャー芯を仕舞った。全然勉強してない。
いや捗らない気すらしてきた。

「さあ? やっぱり俺帰る、じゃあな」

「…え、なんか怒った?」

「怒ってんのは、自分に」

鞄に教科書を入れて立ち上がる。

空はあんなに綺麗なのに。
どうして心の内は晴れないんだろう。