空とマンホール


それがべりっと剥がされる。新しい冷やしピタが貼られて、額もひんやり。

「欲しいものは?」

「ない」

「手は?」

差し出される手。普段はそんなこと、絶対に言わないのに。

病人には優しい?

寝ぼけ半分でその手に手を伸ばす。思いの外優しい強さに、泣いてしまいそうになってしまって、するりと離した。

布団の中に潜って丸まる。

「おやすみ」

それに何も返せずに、あたしは眠ることに努めた。



少し前のことを思い出す。

高校は義務教育ではないと知った小学生の頃。

あたしは哲ママも哲もいない時に、哲パパにお願いをしたことがあった。