自分の部屋だった場所に未だベッドも、本棚も、全部残っている。
いつだって帰ってこれるみたいに。
「お粥作ってくるから。寒くない?」
「多分」
「喉は?」
「痛くない」
答えて、哲ママが部屋から出て行く音を聞いて、布団の中に潜った。
先輩に移ってないと良いな。先輩にマスク、似合いそうだけれど。
今日、帰ってきて良かったかも。風邪と嘘を吐いて行きたくなかったはずだけど、こんな状態で一人でいたら、きっと精神的に参っていた。
食欲が湧かずに、哲ママが作ってくれたお粥を半分も食べられなかった。
それを放棄して、さっさと薬を飲んで横になる。



