その声色を聞くのが、辛いのに。 他の人が入ってくると、いつもよりあたしに対する声は冷たくなる。 気がつけば引きずられて曇天の下にいた。あたしの傘を取り上げた哲が身体を小さくして隣を歩きだす。 ……何が起こって…? 肩がぶつかったり離れたりする。 これは、まずい。 まずい。 「結?」 「…うん?」 「すごい熱い」 いつの間にか触れられていた項。 素早く離れようにも、素早い動きが出来ない。 「三十八度。全くもう」 呆れた顔をした哲ママが冷やしピタを額に貼ってくれた。