「脈速い」
いつの間に測ったのか。指摘されて腕を取り返した。
「風邪気味だからやっぱり今日は行かない」
小さい子供のようにそう言い捨てて、再度教室へ向かった。
「お、降ってきた」
先生が授業で使ったらしい筆の絵の具を洗いながら先生が言った。
視線の先は窓の外。
あたしも同じようにそちらを見ると、小雨が降り始めてきている。
「あ、傘忘れたかもしれない」
「彼女にでも入れてもらいなさい」
「先生車で送ってください」
「俺はキミの彼女じゃないよ」
知ってますよー先生が意地悪言うからですよー、と笑う先輩の声を聞く。



