それは、何というか。
苦笑いしか返せない。良い思い出がない所について、多くは語ることができない。
「知ってるって、あたしがいじめられてたことですか?」
先輩から言ってもらって気まずく思われたら嫌なので自分から言ってみた。あたしも強くなったものだと思う。
先輩は顔色ひとつ変えず、うん、と頷いた。
あっさりとし過ぎていて怖いくらいだ。
「幼馴染の汐野くん? をずっとかばっていたことも」
「かばって…?」
「俺もそこに居たわけじゃないから何も分からないけど。その人、観察眼が優れてるから、多分間違ってはないんだろうなと思ってる」



