きょとんとした顔をしながら先生の前の席に座る。 「先生、砂藤さんを落とそうとしないでください」 「してない。あ、職員会議行ってくる」 「行ってらっしゃい」 二人の冗談だったらしく、先生は軽やかに美術室を出て行く。職員会議だから白衣を着ていなかったのか。 先生の背中を先輩と見送って、先輩は先生が座っていたところに座った。 「先生の天然さにやられないでね、一応既婚者だから」 「その話してたんです。先生の奥さんって着物着る仕事してるんですか?」 先輩はスケッチブックを出しながら首を傾げた。