美術室に似つかわしくない笑い声が聞こえて思わず顔をしかめる。
先生が女の先輩に捕まっていた。
先輩は居ない。いつもは居るのに。
居場所がなくなってしまった気がして、美術室の隅の机に向かう。
「羽月は委員会だって、もうすぐしたら来るから待ってな」
静かに入ったので気付かないと思ったのに、先生がパッとこっちを向いて言った。
女の先輩の視線もこちらに向いたので、頷いて「はい」とだけ返事をする。
びっくりした。
ああいう所がきっと人気あるんだろうな。でも先生、指輪していたような。
スケッチブックを広げながら考える。けれど、真っ白なそれを見ていたら、持続していた苛立ちが戻ってきた。



