空とマンホール


怖がっているのか気を遣っているのか、よく分からない。

「何?」

思ったよりも低い声が出た。
敬司が声を向けた方を向く。

結の顔が少し強張って、口を開く。

「土曜日、行くの午後からになるって伝えといて」

「は? なんで午後から?」

「用事があるから」

目を逸らして、それでも言い切る。
逃げるように背を向けて校舎を出て行った。

流石にそれはねえだろ、と追いかけようとしたのを敬司に止められた。

「なんだよ」

「なんだよって、今の哲が行ったら砂藤さん殴りかかりそうで怖い」

珍しく真剣な顔をして言われた。