空とマンホール


今回はスルーして、歩く。

「この前隣のクラスのマネージャーやりたいって言ってた女子の名前何?」

「南雲さんだけど…話してんのに名前知らなかった?」

「うん」

「恐るべし、汐野哲」

名前知らなくても話は出来る。

前から歩いてきた例の美術教師。挨拶をして通り過ぎる。

昇降口で革靴を持って体育館へ行かないと、練習が終わる頃には校舎は閉まっている。自分の靴箱を開けて、視界の端に捉えた。

そちらを向くと、何かを言おうと口を開くけれど、敬司の姿を見てそれを躊躇する。

学校と名の付く場所ではいつもこうだ。