はあ?
タイマーの音と自分の声が重なる。休憩に入った。
「何であんなのが」
「あんなって、中身は知らないけど少なくとも外見は良いじゃん。細いし肌綺麗だし」
「お前そんな所まで見てんのかよ、キショイ」
「あーわかった、哲の女子への態度の素っ気なさはそこか。そりゃああんな綺麗な子と住んでれば目も肥えるわけだ」
目が肥えた覚えはない。
もうひとつの否定が頭に浮かんだが、それを口にするのは止めようと思った。
付き合いは浅いが、敬司は勘が良い。知られたら嫌な所をついてきそうだ。
くるりとボールを手の内で回す。
ふと視線を感じて向けば、隣のクラスのマネージャー見習いの女子と目が合う。



