空とマンホール


哲へのからかいが止まるならそれで良い。

自己犠牲は自己満足。

三年に上がって受験シーズンにもなると、顔を合わせることの方が少なくなって、それはおさまった。忘れたような顔をして、それぞれが卒業していく。

自己犠牲は自己満足。

その言葉を見たのは、ドラマか小説か、何だったかはわからないけれど、その通りだと思った。

好きだから幸せになってもらいたい、ではない。

奪ってしまったから、幸せになってもらいたい。そうでなければ、あたしが解放されない。

人は自分以上に、誰かを可愛がることは出来ないのだろうか。