空とマンホール


哲ママがそのことで学校に呼ばれたことがある。哲はあたしとクラスが同じになったことはないけれど、多分知っていた。

哲ママがあたしの保護者だって知った誰かが、多分親に、あたしと哲が一緒に住んでいることを聞いたんだろう。

からかう対象に、哲が入ってきた。

口や力でものを言われるだけなら、哲は負けないだろうけれど、裏側でされることには対処しきれない。

もうずっと前から、哲が好きだった。

だから、哲ママがあたしを大切にしてくれるのを見て、哲が何とも言えないような目をするのを知っていた。