空とマンホール


枕に顔を押し付けると、反射的に涙が出た。

哲の家は好き。温かいご飯もあるし、優しくしてくれるし、何より一人じゃない。時々哲は酷いことを言ってくるけれど、だからって嫌いなわけではない。

でも、反対にすごく怖い。ここに帰ってきたいと思うのと同時に、逃げたい思いがある。

あたしは、小中といじめられていた。

その理由は、今となっては何となく分かる。

毎日を「生きていてごめんなさい」って思いながら生きていた。態度をとっていた。そういう姿勢だった。暗くていつも下を向いて、居るだけで空気が暗くなる。