空とマンホール


「嫌いって思われても仕方ない態度取ってきたけど…目が覚めたっつーか、少しは素直にって言われて…」

「取ってきたって…いつ、から」

ずっと前から。
と躊躇いなく言った哲に、迷いがなかった。

「結が俺とは付き合えないっていうなら、俺はここで帰る。もう結の部屋には行かないし、学校でも最低限のことしか話さない」

ここは、アパートと汐野家との分かれ道。

そんなこと言われたって、あたしは揺らがない。

「好きだよ、ずっと、好き……」

あれだけ泣いたのに、まだ涙が出てくる。

こんなこと、哲に言う未来があるなんて、前のあたしは夢にも思わなかった。

涙を拭っていると、それを手伝うように哲の自由になっいる方の手が頬を拭ってくれる。
手を離せば良いのに。