空とマンホール


は? と顔を顰める哲。

「え? あたし南雲さんから聞いた」

「は? あ、そういうことか。付き合ってない、南雲とは一切」

それから立ち止まる。
…付き合ってないって?

サーッと血の気が引く。

あたしは先程、何を哲に言って家を出て来たんですっけ?

「そしたら、俺が結のこと好きでも悪いことない?」

顔を覗きこまれて、咄嗟に後退りした。

「なんでそんな風に、からかうかな…」

「からかって言ってない」

「哲はあたしのこと、嫌いでしょう?」

再度、あたしは歩き出す。
けれど、腕が伸びただけで哲が動かない。