空とマンホール


先生が炭酸水と言っていたけれど、どこかイメージと違う。

「あの人、もしかして炭酸水のひとじゃないんですか?」

「ああ、樋口先生が言ってたひとじゃないと思う。あの子は同じ高校じゃないから」

それに、勝手に炭酸水のひとはあたしと同じ中学出身で、あたしのことを知っていると思っていた。

「炭酸水のひとの、双子の妹」

「おお、って。え? 双子!」

「砂藤さん」

話しかけられて、はい? と返事をする。
先輩が苦笑いをしているのが見えた。

「汐野くん、来た」

言われたことを意味を理解するより先に、腕を後ろから掴まれた。先輩がひらひらと手を振って、こちらに背中を向ける。

逃げた、というんじゃないか…。